こんにちは!側島製罐広報の木原です!
今回は側島製罐のみんなで作った福利厚生の制度についてのお話をさせていただきます!新制度を作ったけれどなかなかうまく使ってもらえない!という苦しい想いをみんなで乗り越えてきた記録をご覧いただけたらと思います。卒業や就職などたくさんの人に人生の節目が訪れる3月の終わりでみなさんも今年度に色んな想いを馳せる中だとは思いますが、そばじ間で一休みしていただけたら幸いです。
-Mottoというプロジェクトチームについて
側島製罐ではミッション・ビジョン・バリューという会社の理念を2022年1月にみんなで策定し、それ以来全員でその理念を大切にしながら仕事をしています。そして、理念は作って終わりではなく、実はそれを進化させるためのプロジェクトがあります。その名も「Motto(モット)」。名前は、弊社のオリジナル商品「Sotto」を文字ったものなんですが、「もっと自分たちで○○していこう」というテーマに基づいていて”自分の言葉で熱く語ろう”という弊社のバリューにも沿った名前になっています。プロジェクトチームは基本的にスタッフのみで構成されていて、メンバーもチーム名も活動内容も自分たちで決めています。
-新しく作った「自社製品購入補助制度」
弊社には元々経営理念もなければスタッフだけでプロジェクトを進行したこともない、という状態でMottoのプロジェクトはスタートしました。みんなで手探りながら、「どうすればもっと『宝物を託される人』という理想像に近づけるだろう?」ということを議論し、そこで誕生したのが「自社製品購入補助制度」という制度でした。
この制度は側島製罐で製造した缶が使用されている商品を購入して、その体験をレポートにまとめて社内で共有すれば、その商品を全額補助で購入できるという制度です。製造業の現場ではいくつかの工程に分かれているため、缶の部材のみを取り扱っている部署の人にとっては、自分のやっている仕事が最終的にどのようなものになっているか、どんなものが入れられて、どこで販売されているか、分からないこともあります…。実際に自分が携わったモノが、世の中でどのような価値となっているのか、お客様の想いや商品の魅力を知ることで、「宝物を託される人」という視点を持ってほしいという想いを込めて「自社製品購入補助制度」という制度を作りました。
-新制度発足から半年、利用者はたったの10人
新制度の概要をまとめ、Mottoのメンバーから全社員に向けて制度の説明をしました。「タダでお菓子が買えるんだからみんな喜んで使ってくれるだろう」なんて淡い期待を抱きながら制度の運用を開始しました!ですが、フタを空けてみると6ヶ月間で利用者はのべ10人。しかも利用者の半数はMottoのメンバーで、他の社員の利用は全然進みません…。
しかも、利用してくれたスタッフの中でも、制度のルールをすべて理解できないまま、対象外である他社製造の缶の商品を購入し、本来の目的とはそぐわない利用申請もありました。
また、購入のレポートを共有するのがこの制度を利用する条件となっていたのですが、共有方法も曖昧で、共有しないまま手当が払われてしまうという制度の趣旨を逸脱するような事態も発生してしまっていました。なかなかうまく行かないこの制度、実際にプロジェクトチーム以外のメンバーにヒアリングをしてみると、次のような声が寄せられました。
制度利用したいけど…缶がどこで販売されているか分からないんです…。
社内チャットを利用してないからどうやって共有すればいいのか分からない…。
ウチ製造じゃない缶購入している人もいるけど、それはいいの?
元々の制度の説明が口頭で話すに留まってしまっていて、マニュアルもなければ購入して良い商品のリストも作られておらず、プロジェクトチーム以外のメンバーにとって非常に利用しにくい設計となってしまっていたことに気付きました。本来はこのような疑問や相談を受ける窓口も作らなければいけなかったのですが、担当なども明確に決めておらず、プロジェクトチーム以外のメンバーの立場で制度が作られていないことが明らかになりました。
-制度がなかなか浸透せず頭を悩ませるメンバーたち
今回作った制度は趣旨自体は素晴らしいものではあったものの、制度を利用する人たちにとって優しい仕組みにはなっていなかったという反省がありました。どこで商品が販売されているか、どの商品が該当するものなのか、制度を作った側は理解できていることも利用してくれるスタッフには知らない情報もあり、趣旨が良くても制度の利用は促進しません。各々制度を改善しなければいけないという想いはあったものの、プロジェクト進行も初めての経験ということもあり、メンバー間で役割分担もできておらず、どこから着手すればよいか分からない状態が続いてしまい、制度の運用が停滞する時期もありました。
-新メンバー加入で制度リニューアル!
なかなか制度の運用が改善しない時期が続いていたころ、新入社員が増え新しくプロジェクトチームのメンバーとして参加していきました。新メンバーを交えた初のミーティングでは自社製品購入制度について改めて議論を交わし、制度の仕組みやルールをもう一度イチから考え直すことにしました。
制度のリニューアルのために改善したのは以下の点です。
- プロジェクトチーム内の役割分担の明確化
- 「自社製品購入補助制度」の制度名の変更
- 制度のロゴの作成
- 制度のガイドブックの配布
手探りでやってきたプロジェクトですが、振り返ってみると役割があまり明確になっていませんでした。やはり人には得手不得手があるので、役割分担は重要だと感じ、制度のリニューアルにあたって、まずは「スタッフたちとのコミュケーションが取りやすい人」「イラストやデザインが得意な人」などメンバーの特技に沿って役割を割り振っていきました。みんなで一緒に楽しく制度を運用するためには、まずはMottoメンバー自体が楽しく運営ができるような仕組みにしなければいけない、という想いでこのような役割定義をしました。
次に、「自社製品購入補助制度」という制度名の変更です。この名前、ストレートでわかりやすいのですが、漢字が並んで少し堅苦しいイメージですよね…(笑)側島製罐は20代から80代まで幅広い世代のスタッフが働いており、年齢性別関係なくみんなが気軽に制度を利用できるようにという想いを込めてメンバーで案を出し合いました。最終的な案は「缶察日誌」という名前になりました。観察の観と缶をかけた「缶察」と、感じた想いやお客様の情報をたくさん共有してもらえるようにと「日誌」と続いて「缶察日誌」という名前です!
また、この制度名のリニューアルに併せて制度のロゴデザインも制作することにしました!言葉だけでなく、デザインの力を借りて制度に込められた想いを形にすることで、老若男女問わず制度の目的を理解しながら楽しく利用できるように、そしてスタッフだけではなく運営側のMottoメンバーも愛着を持ち、モチベーションをあげられるようにという想いで作っていきました。
メンバーみんなで作り上げたロゴは、自分の仕事やお客様に興味を持ち、好奇心や愛着を持って目が輝くような発見をしてほしいという想いを表現したデザインになりました。虫眼鏡で覗き込んでいるキャラクターは弊社の製造スタッフをモチーフにしたシンボルマークです。
そして最後に、ガイドブックも作成することにしました。Mottoの制度の内容をいつでも思い出してすぐ使ってもらえるように、そして新入社員の人でもすぐに理解できるように、という想いで「ポケットMotto」という名前を冠しています。ちなみに、元々A5サイズの持ち運びやすいサイズを想定していましたが、おじいちゃんスタッフたちも読みやすいようにA4サイズに変更しているんですよ!この缶察日誌の制度は、側島製罐で働いているスタッフであれば誰でも利用が可能です。みんなが分け隔てなく楽しく利用できるように、制度の意味を理解できるようにとイラストやQ&Aの項目までコンテンツを増やして使いやすさを大幅に向上させることができたのではないかなと思います。
発表までの残りの期間で共有方法の見直しや発表資料の作成など…最後まで手分けしながら細かな調整をメンバーで行いついに発表の日。側島製罐で働くスタッフたちにこの制度を胸を張ってお披露目できるようにとメンバー全員で奮闘した2週間でした。スタッフたちはどんな反応をしてくれるんでしょうか?
-「缶察日誌」リニューアルの発表
一度は暗礁に乗り上げていた自社製品購入補助制度ですが、「缶察日誌」というリニューアルをして、全社向けにリベンジとなるお披露目をしました!
自社製品購入補助制度の発表を初めてした際は一方通行のような雰囲気が流れていましたが、今回の「缶察日誌」の発表ではみんなが興味をもってくれて、発表後はスタッフから質問があがったり、配布した缶察日誌の資料をすぐさま開き目を通す姿もみられたりするなど、全員で制度を楽しもう!という一体感が生まれました。
リニューアルの発表からまだ一ヶ月も経っていませんが、現時点で既に5件の利用報告がありました!特に、旧制度では一度も利用のなかったおじいちゃんスタッフが利用してくれるなど、これまで興味はあったけれど使えなかった人たちが利用してくれるようになって、リニューアルの成果を実感できています。これもみんなで諦めずに挑戦を続けて、リストや冊子を作ったりロゴをデザインしたりしたおかげで、歴史を超える価値をつくることができたのかなと思っています!
リニューアル後にこっそりスタッフに話を聞いてみると、「休憩中に缶察日誌が話題に出るようになった」「私たちをイメージにロゴのキャラクターを作ってくれたのが嬉しかったです!」などの声もあがっていました!缶察日誌がきっかけでスタッフ同士が自分たちの仕事の意義ややりがいを見つけてくれているのを見るのは嬉しいですね。
-自分たちで楽しく働く環境を作る意義
現在もMottoの活動は続いていて、缶察日誌の運用を議論したり、新たな制度設計を進めたりしています。
弊社ではこのように、管理職の方の指示命令などに基づかずに、自分たちでゼロからプロジェクトをスタートし、壁にぶつかりながらも自分たちの力で楽しく働ける環境を作っていっています。「宝物を託される人」という理想像を目指して側島製罐の新しい取り組みはまだまだ続きます!
少し長くなりましたが、今回は側島製罐の中でのプロジェクトでの小話でした。側島製罐もまだまだ課題だらけではありますが、缶察日誌のように、みんなで良い環境をつくって、新年度もより良いものにしていけたらなと思っています。本日はお付き合いいただきありがとうございました!次回のそばじ間もお楽しみに!